日々翻訳

出版&映像翻訳者・川岸 史の仕事情報を掲載するページ。ドイツ語と英語の翻訳をしています。

「読売中高生新聞」

 

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「読売中高生新聞2015年12月4日号」

インタビュー記事掲載して頂きました。

(フリー記事ではないのでぎりぎり読めないように撮っています)

 

中高生という若い世代に向けて、いろんな職業を紹介する「シゴトビト」というコーナーで、翻訳者という仕事を紹介する記事でした。

 

正直、数多いる翻訳者の大先輩方を差し置いてなぜ私のような若輩者にこんな依頼が来たのか最初は不思議でびくびくしていたのですが、よく話を聞いてみると、中高生という若い世代に向けた媒体なので、このコーナーではなるべく若い世代(できれば20~30代の人)に登場してもらっているとのこと。

 

そしてその年代で、独立してからの実務経験が規定の期間以上ある人というのがあまり見つからなかったそうで、たまたま私の取材記事が載ったイカロス出版のムックを読んだ記者の方が声をかけてくださったそうです。

 

なるほどそういうことかと肩の荷が下りた私は、非常にリラックスした状態で取材を受けました(だってそんな条件だということを知らなければ、私のようなぺーぺーがどのツラ下げてという感じなので……でも確かに今大活躍している先輩方は40代から50代の方が多く、また60代、70代の方もバリバリ現役第一線なので、20~30代は少ないのですよね)。

 

どんな経緯で翻訳の仕事をするようになったのか、普段はどんな風に作業を進めているのか、訳す際に気をつけていることなど、いろいろと話したのですが、その中でもとくに中心となったのは、今翻訳者を目指している中高生へのアドバイス、「こういう勉強をするといいよ」とか、そういったことでした。

 

勉強方法はいろいろあるのですが、やはり一番大事なのはたくさん本を読むことです。これは出版翻訳をやる上ではもちろんですが、映像翻訳をやる上でも大事なことです。たとえば字幕であっても文章ですから、字幕翻訳者も分類としては文筆家なんです(と、かつて恩師が言っていました)。

 

私は翻訳の仕事をしたいと思うようになったのが大学三年の終わり頃なので、中高生の頃は全くそんな風には思っていませんでした(雲の上のような存在に感じていたので、進路の選択肢として身近ではなかった)。だから当時本を読んだり映画を観たりしていたのは、純粋にそれらが好きだったから、楽しかったからです。

 

でも振り返ってみると、この学生時代にたくさん本を読んでいたというのが大きな財産で、このときに感じたいろいろなことが、今の仕事をする上でも大きな糧になっています。

 

だからできれば若い子たちにも、新聞や雑誌や書籍を読んでほしいなという思いを込めて、話をしました。

 

うちは両親が共働きで、小さい頃は家に一人でいることも多かったので(いつも放課後は友達と遊んでいましたが、バイバイするのがわりと早くて、家に帰っても家族は19時くらいまで帰ってこなかったので)そういうとき家にある新聞や週刊誌、書籍を読むのがひそかな楽しみだったのです。

 

私が小学生のとき、たとえば週刊朝日のコラム連載陣はナンシー関松本人志西原理恵子椎名誠など錚々たる顔ぶれで、すごく面白かったんです。ほかにも週刊新潮(「黒い報告書」が好きでした。JSの分際で。)や週刊文春AERAなどを毎週必ず読んでいましたし、両親の本棚にあった大江健三郎田辺聖子などもこっそり読みました。

今思えば、「知らないことを知る」というのが楽しかった。だから学校の授業も好きでした。

 

高校生になると、休み時間や帰りの電車などの隙間時間を使ったり、休日丸々使ったりして本を読みました。当時好きだったのは芥川や太宰、谷崎などの古典作品、それからメアリー・ノートンロアルド・ダールチャールズ・ブコウスキーなどの海外作品です(現代日本文学の面白さが分かるようになったのは社会人になってから)。

 

その中でもとくに、チャールズ・ブコウスキーを読んだことで、それまでの価値観がガラッと変わりました(これについては別記事で書くかもしれません)。

 

もちろん頭でっかちになるばかりではなく、いろんな人と出会ったり話をしたり触れあったり、身体的な経験をすることも大事です。

 

中高生は可能性の塊ですし、自分にどんな可能性があるのか自分だけではなかなか気づきにくいものなので、いろんな経験をした方がいい、そんな話もしました。