日々翻訳

出版&映像翻訳:川岸 史 ドイツ語と英語を訳しています 通訳翻訳ジャーナルでコラム連載中

「ピノキオ」

f:id:meru2000:20180403230118j:plain

ピノキオ」

監督: アンナ・ジャスティ

出演: マリオ・アドルフ, ウルリッヒ・トゥクール

 

本編の吹替翻訳を担当しました。

原音はドイツ語。

キンダーフィルム・フェスティバルで上映。

www.kinder.co.jp

この年のオープニング作品だったので、戸田恵子さんや中山秀征さん、青木さやかさんなど豪華なラインナップの声優陣が一堂に会し、劇場は満員でした。

 

読売中高生新聞のインタビューでも語ったことなんですが、このとき私が座っていた席の少し前に、赤ちゃんを膝にのせて時々あやしつつも目がスクリーンに釘づけですごく熱心に見てくださっている方がいました(キンダーフィルム・フェスティバルは子供のための映画祭なので、赤ちゃん連れでもOKなんです)。

 

その真剣な眼差しを見て、胸打たれました。きっとまだ赤ちゃんが小さいから、彼女は日々育児や家事で大変だろう。そんな疲れている時に、こういうほっこりする映画を観て、少しでもリフレッシュできたなら、そのお手伝いができたなら、頑張って訳した甲斐があった、そう思いました(この映画の前半に、愛にまつわるすごく良い台詞があって、それを一瞬で頭と心にすっと入る台詞にするにはどんな言葉を選べばいいか熟考した記憶があります)。

 

 

翻訳者はあくまで黒衣です。日本の観客や読者に作品を届ける際にお手伝いする、縁の下の力持ち的な存在。でも作品を誰よりも深く読みこみ、理解し、原作が持っているニュアンスをできるだけそのまま伝えられるように心を砕く。そんな作業はとても楽しいです。少しでも誰かの役に立てるなら、生まれてきた甲斐もあったなと思えます。